6339人が本棚に入れています
本棚に追加
/364ページ
あの二人何をやってるんだ?
俺は二人の様子をミラー越しに凝視し続けた。
しおりはかなりパニックに陥っているようで、ヒステリックに叫びながら取り乱していた。
すると荒井がスーツの内ポケットから封筒のようなものを取り出し、しおりの前に差し出した。
しおりはその封筒を奪い取ると、嘘のように大人しくなった。
そしてしおりは笑顔で荒井に手を振ると、車とは反対の方向に向かってスタスタと歩き、姿を消した。
二人の様子を見終えた俺は、シートに深く寄りかかり目を閉じた。
「お待たせいたしました」
戻って来た荒井が何事もなかったように運転席に乗り込んできた。
そんな荒井に俺は、目を閉じたまま口を開いた。
「何してたんだ?」
最初のコメントを投稿しよう!