苦い初恋

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あの二人何をやってるんだ? 俺は二人の様子をミラー越しに凝視し続けた。 しおりはかなりパニックに陥っているようで、ヒステリックに叫びながら取り乱していた。 すると荒井がスーツの内ポケットから封筒のようなものを取り出し、しおりの前に差し出した。 しおりはその封筒を奪い取ると、嘘のように大人しくなった。 そしてしおりは笑顔で荒井に手を振ると、車とは反対の方向に向かってスタスタと歩き、姿を消した。 二人の様子を見終えた俺は、シートに深く寄りかかり目を閉じた。 「お待たせいたしました」 戻って来た荒井が何事もなかったように運転席に乗り込んできた。 そんな荒井に俺は、目を閉じたまま口を開いた。 「何してたんだ?」
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