苦い初恋

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怒った俺はシートに拳を叩きつけた。 「ずっと俺たちのことを知ってたってわけか。俺が嘘をついてたことも、コソコソ隠れて出掛けてたことも、全部知ってておまえは知らないフリをしてた。そうなのか荒井」 「・・・・はい」 ずっと前方を向いたまま表情を変えない荒井に、俺は後部座席から鋭い視線を投げ続けた。 「今日もずっと後をつけてたのか」 「・・・・はい」 「たいしたもんだよ荒井は。俺はまったく気づかなかったんだからな」 「私の任務は崇さんを全力でお守りすることです。その為にあなたにこうしてお仕えしているのです」 「だとすると、おまえは俺がこうなることを予想してたのか?」 「あの方について私もいろいろ情報を集めましたので」 なるほど、荒井のヤツこの俺にしてやったりか?
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