6339人が本棚に入れています
本棚に追加
/364ページ
はぁ~、やっぱ金かぁ・・・。
俺は深いため息を吐くと、再び天井を見上げた。
社長夫人になることを夢見てたあいつなら、喜んで金を受け取るだろう。
どうりで大人しく帰ったわけだ。
俺は僅かにくすぶっていた思いを心の底に強引に追いやった。
その瞬間、俺とあいつの関係は完全に終わってしまった。
* * *
「大丈夫ですか?」
「何が?」
「随分お疲れのご様子でいらっしゃるようですが?」
俺は荒井のセリフに思わず吹き出した。
こいつ、よくもいけしゃあしゃあと言うよ。
たった今ホテルから出て来たばかりのこの俺に、なんて質問するんだよ。
最初のコメントを投稿しよう!