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けどこいつなら、兄のように慕っていた荒井なら、きっと今の俺の気持ち分かってくれてるのかもしれない。
俺のことを理解し尽くしている荒井なら──
だったら教えてくれよこの胸の痛み。
どうやって癒せばいいんだ?どうやったら忘れられる?
おまえなら俺のこの気持ち受け止めてくれるのか?
そう思った瞬間、俺はすべての感情を荒井にぶつけた。
怒りの矛先は荒井ではないことは百も承知だ。
それでも俺はそうせずにはいられなかった。
──初めての恋、そして最悪の結末──
できれば知りたくなかった失恋の痛み。
これが大人になるってことなのか?
その間荒井は、終始無言で俺の感情を受け止めていた。
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