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「おい、俺って一体何なんだ?俺に言い寄ってくる女は俺の肩書しか見ちゃいない。なのに俺は本気になった。これって笑える話だとは思わないか?」
俺は自嘲しながら荒井に問いかけた。
そんな俺に対し、荒井は無言で運転していた。
「おまえだっておかしいと思ってんだろ?どうなんだよ荒井!」
「いいえ。私はそうは思っておりません」
ようやく口を開いた荒井の口調はやはり淡々としていたが、その言葉は重く俺の心に響いた。
「女ってなんなんだよ?教えろよ荒井」
俺は感情のおもむくままに語気を強めた。
「すべての女性があの方と同じではありません。がしかし、KURATAの後継者である崇さんの場合、あの手の女性が今後言い寄ってくる確率は高いと思われます」
俺とは対照的に、荒井はどこまでも感情を露わにしない。
それが余計俺をイラつかせる。
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