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「ああ頼む」
俺は即座に答えると、落ち込む亮子の肩を抱きながら接待の席へと戻って行った。
* * *
「さすがだな」
その後俺は接待の席を退席し、荒井が運転する車の後部座席から荒井に声をかけた。
「いえ、当然のことです」
ハンドルを握りながら荒井が淡々とした口調で答えた。
こんなことは今に始まったことではない。
俺の肩書に目がくらんだ欲深な女たちは、常に俺に言い寄ってくる。
いつものことだと自分に言い聞かせてはいるものの、俺はどこかやるせなさを感じていた。
そんな俺だったが、以前とは少し感じ方が違っていることに最近ようやく気づき始めていた。
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