6339人が本棚に入れています
本棚に追加
俺は新しく作った水割りを一口飲むと口を開いた。
「その通り!おまえの勘違いだ。俺のことは心配いらない。そんなことより乾杯しようぜ。彬に彼女ができた記念に」
これ以上詮索されるのを嫌がった俺は、話をそらすため心にもないセリフを吐き出した。
「なんだよそれ?」
眉をひそめてはいるものの、どこか嬉しそうな彬の顔。
そんな彬を見つめながら、俺は心の底から彬が羨ましいと思っていた。
家に束縛されることなく彬は自由を持っている。
そう考える俺の手が、自然とグラスに伸びるのは仕方のないことだった。
そんな中、彬がとんでもない話を持ち出してきた。
「俺、今度独立するんだ」
「はぁ~独立?」
彬の突拍子もない話に、俺は思わず面喰ってしまった。
最初のコメントを投稿しよう!