親友 向井彬

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この俺が彬に嫉妬!? 確かに彬は俺と同じような境遇でありながら、俺と比べその生き方には違いがあり過ぎる。 だからと言ってそれが理解できない俺ではない。 ならば俺は、彬の何に対し嫉妬しているのか? 仕事、生き方、それ以外にあるとすれば── ─千秋─ 俺はその言葉にたどり着いた途端、ハッと息を飲んだ。 千秋を彬に奪われたことに俺は嫉妬しているのか? まさか、親友である彬の彼女にそのような感情を抱くなどいくら俺でも── 俺はそれら全てを払拭するかのように、水割りを一気に口に流し入れた。 がしかし、空のグラスを見つめるおぼろげな眼差しの先に、千秋の顔が浮かんでしまう。 うそだろ!?
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