6338人が本棚に入れています
本棚に追加
俺は千秋にマジで惚れてしまったのか?
彬に嫉妬してしまうほどに。
確かに俺は千秋が気になっていた。
だからと言ってその程度くらいにしか思っていなかったはず。
それなのに、実際は心まで奪われていたというのか?
うれしそうな彬の目の前で俺はひどく動揺し、心かき乱されていた。
ようやく真の気持ちに気づいた俺。
けどそれは皮肉なことに、彬の口から千秋との話を聞いた直後だった。
なんという運命の悪戯。
今まで女を軽視し過ぎた俺に与えられた罰なのかもしれない。
空になったグラスに、新たにウイスキーを注ぐ俺の手が、よほど動揺しているのか、微かに震えていた。
こんな俺の様子に気づかない彬ではないだろうが、あえてあいつは何も言わなかった。
最初のコメントを投稿しよう!