親友 向井彬

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俺は千秋にマジで惚れてしまったのか? 彬に嫉妬してしまうほどに。 確かに俺は千秋が気になっていた。 だからと言ってその程度くらいにしか思っていなかったはず。 それなのに、実際は心まで奪われていたというのか? うれしそうな彬の目の前で俺はひどく動揺し、心かき乱されていた。 ようやく真の気持ちに気づいた俺。 けどそれは皮肉なことに、彬の口から千秋との話を聞いた直後だった。 なんという運命の悪戯。 今まで女を軽視し過ぎた俺に与えられた罰なのかもしれない。 空になったグラスに、新たにウイスキーを注ぐ俺の手が、よほど動揺しているのか、微かに震えていた。 こんな俺の様子に気づかない彬ではないだろうが、あえてあいつは何も言わなかった。
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