母と

12/14
前へ
/298ページ
次へ
その時は、もう 二人で実家に戻れたら それだけでいい 後のことを考える余裕なんて、正直、ほとんど無くて。 『お母さん、今、馬鹿になってるがらや、荷物、詰めんの、手伝ってけろ』って 呟くように、漏らした弱音に、ただ頷(うなづ)いて 表面上、冷静に取り繕って、母の荷物を鞄に詰めた。
/298ページ

最初のコメントを投稿しよう!

106人が本棚に入れています
本棚に追加