母と

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『父の居る実家』には……、『Sの思い出の多すぎる実家』には、戻りたくないと、母が泣く。 突然、ピタリと泣き止み、無言で毅然と振る舞う。 支度をしながらも、また思い出したように、慟哭する母。 ──そんな母と二人 持っていく荷物と 持っていかない荷物と 部屋中に広げた。 食べ物 生活用品 化粧品 着替え あるだけの中身を、ぶちまけたという感じで。
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