第一章  恋しい人に

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今だけは 君と同じぐらいの年頃の男の子を見て、 パパの目から見ても、 「お、かっこいいな」と思うことがある。 でも君は、そんな子には関心を持つこともなく、 「パパー」と呼びながら、 一直線に、こっちに向かって走ってきてしまう。 いまの君にとっては、 パパよりも大切に思える男の子は、 きっと、ただの一人もいないんだよね。 パパはいま、君にとって最愛の異性なんだよね。 そう、今だけは。君がおさない今だけは。 ああ、このまま時が止まってしまえばいいのに。 「時よ止まれ、お前は永遠に美しい」
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