3人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
いやいやいや。
そんな「当たり前だろ」みたいな空気バンバン出されても。
家に来るなんて、そんな話聞いてない。
「ほとんど連絡できなくてごめんな。今日は定時で上がろうと思って朝からあちこち動いてたからさ、メールすんのも忘れてたわ。」
「何で?だって、ただでさえ忙しくなるって言ってたのに・・・」
「何でっておまえ、逢いにいこうって思ってたからだろ。とにかく、もう少しで着くからな。それじゃ。」
少し早口で電話を切った彼は、きっと今頃顔が赤くなっているはずだ。
通話を終えた携帯を少しの間眺めながら、顔が綻ぶ。
全く、罪な男だ。
なんてタイミングの良さなんだろう。
おかげで、暗く冷たい部屋に沈んでいた心は、トク、トクと温かいリズムを刻んでいる。
最初のコメントを投稿しよう!