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電話を切ってどれくらい経っただろう。
もう少しで彼に逢える。
とりあえず顔を洗わないと。
きっとひどい顔をしているに違いない。
それに、朝から忙しなく働いていたなら疲れているだろうから、温かいご飯を作ってあげようかな。
彼が着くまでには間に合わないけれど、作っている間も話はできる。
彼の声は何よりも私に元気をくれる。
そして、彼とともに過ごす時間は、私を幸せにしてくれる。
帰ってきてからも暗かった部屋にようやく明かりをともして、私は冷蔵庫の中にあるものを思い出しながら洗面所へと急いだ。
彼が呼び鈴を鳴らすまで、あと少し。
《完》
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