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部屋をあとにした美舟は、船の甲板に出ることにした。
そこには自分以外に、数人の男女がいる。
槍を携えた軽装の若い男。
魔法使いのような風貌の少女。
女性のように髪を垂れ伸ばし、鋏を持ったボロボロ服の男。
その男に付き添うように立っている長髪の女性。
コインを親指で上に飛ばす事を何回も繰り返す男。
海をじっと見ているサングラスの男。
計六人の男女だ。
しかもそれぞれから、ただならぬ気配を感じていた。
だが美舟は、それを全然気にしないように、その甲板に留まった。
だがすぐに、この殺伐とした空気は、一気に崩れることになる。
ドアが壊れる勢いで開く、
そこには、三人の男たちが居た。
「んだよ!あの生意気な試験官よぉ!」
男は、憤慨するように怒号を放つ。
「仕方ねぇっすよ、この『人生試験』は普通じゃないんですから」
「じゃああれか?この『奈河崎(ナガサキ)』様が死ぬってことかよ!」
なだめる丸坊主の男に反論するように、奈河崎は言い放つ。
「『人生試験』の死亡率は約99%。それほど難関であれば、あの発言は大まか嘘ではないですよ?」
薄緑のスーツにオールバック、眼鏡をかけた男が説明する、それでも奈河崎の気は治まらなかった。
「だからって俺が死ぬかよ!馬鹿にするんじゃねぇ!」
激しく叫ぶ奈河崎の声、美舟を含む六人は、奈河崎を空気扱いするほど気にしていない。
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