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ハナがおじいさんの近くまで来ると、おじいさんはすごく目をまんまるくしておどろいているみたいでした。
そして、おじいさんはおずおずとしゃがむと、るぅにゆっくりと手を伸ばしました。
ハナは、るぅをさらにぎゅうっと抱き締めました。すると、あまりに力が強すぎたのか、るぅがくぅん、と鳴きました。
どうしよう、どうしよう、やっぱりにげようかな、どうしよう!
いざおじいさんを間近で見て、ハナはやっぱりこわくなってしまいました。だけど、体が動きません。
「どうしよう」であたまがいっぱいになってしまって、その間にもおじいさんは近づいてきます。
ハナは、ぎゅっと目をつぶりました。
…
…
しかし、10数えても、20数えても、なにも起こりません。
うっすらと目を開けると、そこにはるぅをわしゃわしゃと撫でるおじいさんがいました。おじいさんは、やさしい顔でほほえんでいました。
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