第1章

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で、その笹原だが……何故か助けたはずの女に殴られた。 そしてそのまま流れるように一般的に落ち込んでいる時になると言われている体勢になった。 一連の流れを断片的にしか俺は見ていない。 なので殴られた理由は分からない……かし取り敢えず“ザマァ”と心の中でだけ思う。 「ザマァ」 おっと。小声だが口に出てしまったようだ。……だがまあ口に出しても別に問題ないだろう。どうせ聞こえてないだろうし? 「誰だ!!ザマァっていたやつ!!」 ……凄い聴覚だな……聞こえてたみたいだ。 まあ別にいいだろう。 あの体勢から言われたって怖くもなんともない。 むしろ哀れだ。 あまりに哀れすぎて自分がやりましたと手を挙げて前に出てきたくなってしまう。 ……がこんなところで姿を見せるわけにはいかない(建前)ので俺は 回れ右をすると、そのまま歩きだした。 ―――
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