第1章

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「なんだ?」 声がした方向を見ると可愛い女の子が酔っぱらいに絡まれていた。 これはチャンスなんじゃないか? 《なにがじゃ?》 今までは優人がいたから俺が女の子を助けても優人に惚れていたが、優人がいない今ならもしかしたら俺に惚れるかも知れないんだよ。 《そう上手くいくじゃろうか?》 俺の顔とかじゃ十中八九成功しないだろうけど……上手くいかなくても別に問題はないし。とりあえず優人がいない状態でやってみたいのさ。 《まあわしに止める権利はない。やってみればいい》 ああ。行ってみるさ――― ――― 《で、殴られた感想はどうじゃ?》 理不尽すぎる……ただ助けただけなのに。 《まあ本当に助けただけじゃったのにな》 まさかあんたが邪魔で殴れなかったと言われるとは……。 《まあ主は悪くないのじゃから元気だすのじゃ》 イリアの言葉で少しずつだが元気が出てきた。……そういえば 「そういえばザマァって聞こえたけどあれ誰が言ったんだ?」 今の俺なら判別できると思うんだけど……―――
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