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「なっ……」
飛び込んで来た光景は理解し難かった。
それは天狗モードの黒崎が鈍色の日本刀が深々と先輩の胸に突き刺さっている。
その映像を理解する前に日本刀で串刺しにされていた先輩がブワッと霧散してしまった。
「これで7つ……」
突き刺さっている日本刀を抜いて鞘に納めると黒崎は天狗モードから普通の姿に戻った。
「良人、これは……」
キツネさんの言葉に黒崎は普段と変わらず飄々とした笑顔で言った。
「ちょっと厄介事でね……」
「厄介事?」
「それに関しては説明するよ、でもその前に……」
上着の内側から札を出して黒崎は部室の出入り口である2ヵ所のドアに張り付けた。
「我が名に於いてこの空間を封する……」
黒崎の言葉に札が反応し部屋に力が作用したのが僕にも分かった。
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