†第1章†

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春、暖かな日差しを受けて、私は手作りの花のアーチをくぐる。 抜けた先に見えるのは、大きな新品の校舎、そしていたるところに咲いた満開の桜の木。 ここ、私立桜ヶ丘高校は昨年できたばかりで、名前の通り桜が有名な高校だ。 桜の花びらが舞い散る様は入学式のこの日にぴったりで、周りの生徒達も所々で歓声をあげている。 「うわぁ、綺麗!!」 「すごーい!!」 だけど私はその中に入ることはない。 できるならこの桜は彼と一緒に見たかったから。 2人で一緒に綺麗だと、言いたかったから。
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