1、始まりの瞬間
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…あ、居た。 私は“彼”を見つけて笑顔になる。 毎朝の通学路、好きな人を見ながら登校するのが私の日課。 「ー…でさ、ちょっと瑞希聞いてる?」 「んえ?…あ、ごめん何?」 「ったく。まーた、好きな人見てんの?」 「う、うん」 「話したこともないのにねー?」 「っう…」 佐藤瑞希(さとうみずき) 高校一年。 名前と、顔と、声しか知らない他校の男の子に片思いをしている。
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