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きっと、疲れてんだ......。
寝よう、寝たらこのイライラも収まるだろう。
そうして、また眠りについた。
▽尚人side
「あ、尚!」
扉をガチャっと開けて、俺の唯一の友達、三谷原光國が屋上に入ってきた。
「.....みっくん」
あ、みっくんっていうのはあだ名ね。
光國<ミツクニ>だからみっくん。
中学の皆からもそう呼ばれてたし。
「お前なんで屋上に居るんだよ。探したんだぞ。」
「.......ごめん」
だって、一人で教室にいて、絡まれたらどうすればいいんだ。
教室にはたくさんヤンキーがいるんだぞ。
虎の檻の中にハムスターが投げ込まれたようなもんだ。
「別に、怒ってるんじゃねぇよ、一人で動いたら危ねぇだろ?」
俺より4センチ程高い身長のみっくんは少し体を屈めて咎めるように言ってきた。
みっくんは優しい。
"ブレット"っていう族の総長をやっているけど、すっごく優しいんだ。
今だって俺のことを走って探してくれてたみたいで、少し息が上がってる。
「ありがと、」
俺のことを走ってまで探してくれたみっくんに少し微笑んでお礼を言った。
「もう.....」
ぎゅう、
とみっくんは俺に抱き着いてきた。
ちょっと苦しい。
みっくんは何かにつけて抱き着いてくる。
それは中学の頃からで、最初は嫌がってたけど、今はいつもことになってしまった。
「かわいー、尚まじ俺の癒し。」
別に嬉しくない。
男に可愛いとか........
格好いいって言われてみたい。
何故かいつも可愛いしか言われない俺。
みっくんだって格好いいより可愛いじゃん。
いや、美人寄りか。
髪の毛赤くて、ピアスも開いててヤンキーだけど。
鼻高いし、目は切れ長だし?
てか、いい加減苦しい。
「.......くるし、」
「あ、ごめんごめん。」
そう言って直ぐ離してくれた。
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