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春の麗かな日差しが差し込み、緩やかな風が頬を掠めた。
スンと匂いを嗅ぐと、
桜の匂いなのか、春の香りなのか
落ち着く香りが身を包んだ。
―――――――そんなこと、
考えている余裕はない。
何でかって言うと....
『震えちゃってんじゃん、こいつ!』
『お前の顔が怖すぎんだバァカ。』
俺の目の前に、
ヤンキーがいるから。
今、俺はリンチに合っています。
普通に屋上で昼ごはんを食べようとしただけ、屋上の扉を開けたら、扉の前にヤンキーがいたらしく.....
ガンッ
と、ヤンキーは顔面強打。
『いってぇぇ、誰じゃぁい!ボケナス!治療費出せ糞野郎!』
と言われ、
現在、頭をわしづかみされて怖い目にあってます。
カツアゲってやつです。
『お前、名前は?』
「伊藤尚人<イトウナオト>...」
『お前みたいなやつ、この学校におったんか』
呆れたような、感心したような表情で言うヤンキーA。
そう。
ここ憲崎高校<ケンサキコウコウ>
所謂、ヤンキー高校ってやつです。
俺は至ってマジメで、違う高校にも行けたんだけど...
俺の唯一の友達がここに行くって言うから、俺もここを受けたんだ。
無口で人と話すの苦手な俺は、友達は一人しかいなくて、友達作りも苦手で...
だから、その友達にすがるように、ここにきた。
心の中だけだったら、普通に喋れるんだけどな.......。
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