#いち

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実際喋ると、一言二言が精一杯。 特にヤンキー相手だと。 『尚人くん、財布出そうか?ん?』 眉毛がなくて、ピアスがたくさん開いた顔を近づけられ、低い声でそう言った。 「持って、ない」 ドキドキしながら、やっと一言喋れた。 「仕方ない、そんなら身体で払って貰おうかね」 ニヤリと、気味の悪い笑みを浮かべたヤンキーB。 『え、おま、男もいけんの?』 『やることは一緒だろ。...ただ場所が違うってだけだ。それに.....』 ヤンキーBは俺の目に掛かっていた前髪を上げた。 殴られるかと思った俺は強く目を瞑った。 なかなか待っても訪れない痛みに恐る恐る目を開いた。 「?」 目の前には、何故か顔を赤くしたヤンキーが黙って立っていた。 どうしたんだ? 風邪か? 熱でもあんのか? 『お、おい、たた、たっちょん!超やべくね!?』 ヤンキーAが顔を赤くしたまま、たっちょん(ヤンキーB)に叫んだ。 何がヤバいんだ。 ヤバいはこっちのセリフだ。
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