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『おい、お前怪我は?』
最強ヤンキーは腰を屈めて、約10センチは違うであろう俺の顔を覗きこみ問いかけてきた。
俺はその問いかけにふるふると顔を横に振った。
『ったく、もっと抵抗しろよ。男だろ?』
したいけど、
できないんだよ!
今だって頷くのが精一杯なんだから!
学校最強のヤンキーと対等に話せる程、俺の心は強くないんだよ!
「......あの、ありがと.....」
そう言って、立ち去ろうとした。
一歩踏み出そうとした時、
『なに、なんか褒美くれんの?』
え?
なんかって何!?
ーーーーーーあげなきゃなんかされる!?
ゴソゴソと制服のポケットを漁りだす。
あ、
ミルキー.........。
ふと、俺は友達から貰ったミルキーが、ズボンのポケットに入っているのを思いだし、最強ヤンキーに差し出した。
プルプル震えている俺の手にミルキーを乗っけて。
『え、これくれんの?』
俺はコクンと一つ頷いた。
ぶはぁっ、と目の前の最強ヤンキーが吹き出し、笑いだした。
ごめんなさい。
ミルキーしかありません。
爆笑している最強ヤンキー。
いったい何が面白いんだよ.......
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