#いち

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『おい、お前怪我は?』 最強ヤンキーは腰を屈めて、約10センチは違うであろう俺の顔を覗きこみ問いかけてきた。 俺はその問いかけにふるふると顔を横に振った。 『ったく、もっと抵抗しろよ。男だろ?』 したいけど、 できないんだよ! 今だって頷くのが精一杯なんだから! 学校最強のヤンキーと対等に話せる程、俺の心は強くないんだよ! 「......あの、ありがと.....」 そう言って、立ち去ろうとした。 一歩踏み出そうとした時、 『なに、なんか褒美くれんの?』 え? なんかって何!? ーーーーーーあげなきゃなんかされる!? ゴソゴソと制服のポケットを漁りだす。 あ、 ミルキー.........。 ふと、俺は友達から貰ったミルキーが、ズボンのポケットに入っているのを思いだし、最強ヤンキーに差し出した。 プルプル震えている俺の手にミルキーを乗っけて。 『え、これくれんの?』 俺はコクンと一つ頷いた。 ぶはぁっ、と目の前の最強ヤンキーが吹き出し、笑いだした。 ごめんなさい。 ミルキーしかありません。 爆笑している最強ヤンキー。 いったい何が面白いんだよ.......
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