魔王と勇者

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それらも返り討ちにし、気がついたら俺は魔族最強、つまり魔王と呼ばれるようになっていた。 俺を見下したり蔑んだ奴らはもう居ない。 俺が戦う理由はすでに無くなったはずだった。 なのに、俺は戦い続けた… 魔族だけではなく、人間や龍族、更に神族とも戦った。 何時までこの理由なき戦いを続ければ良いのだろうか? ―――おそらく、俺が死ぬまで答えは出ないのだろう。 いくら強いといっても生き物である以上『老い』は来る。 一般的な魔族の寿命は約3,000年、だが魔力の少ない俺はそれよりも短い。 だんだん戦闘の中で傷つく事も増えてきたし、魔力を練るのにも時間が掛るようになってきた。 そして今―――俺の前に『勇者』が立っている。 今回の勇者は強かった。 全盛期の1/4の力も出ない俺には到底勝てない程に。
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