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現に俺は勇者の前ですでに横たわっていた。
勇者「これがあの『死影の魔王』か…」
瀕死の俺に聞こえた勇者のつぶやき。
グレゴール「…『死影の魔王』…なんだ…それは…?」
聞いた事のない呼び名につい問いかけてしまった。
勇者「なんだ、知らないのか?貴様は相対した全ての生き物に『死』の影を落とす魔王。つまり『死影の魔王』と呼ばれているのさ。」
なるほど…人間達の間ではそのように呼ばれていたのか。
勇者「そんな魔王がまさかここまで弱いとわな。」
グレゴール「はは…言ってくれるな…人間…何てことはない…お前が強かった…ただそれだけだ…」
老いなんて言い訳に過ぎないだろう。
実際老いていても今まで勝ち続けたのだから。
勇者「そうか…最後に何か言いたいことはあるか?」
最後か…確かにもう目が霞んできたな。
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