気が付いたら異世界

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「直くん!直くん!」 姉貴が俺の肩を掴み激しく揺さぶる。今の俺は放心状態だ。 え?何故かって? 何故だと思う? 「直くん戻ってきて!!」バチンッ 「あべしっ!」 右頬に衝撃が走る。 「あ、戻った?」 あぁ戻ったよ。 放心状態から姉貴のビンタによって復活した俺は改めて周りを見渡す。 「なぁ姉貴」 「なぁに?」 「ここどこ?」 「草原」 そう。俺たちは今ものすごく広大な草原に立っている。 そこまでは別にいい。 「なぁ姉貴」 「なぁに?」 「空を飛んでるあれは何?」 今俺たちの頭上に広がる雲一つなくキレイに晴れ渡った青空に、巨大な何かが沢山飛んでいた。 そして、姉貴曰く。 「ドラゴンだね」 ドラゴンだった。 あれがドラゴンだと判った今、俺の頭の中に一つの仮定が浮かぶ。そして、その仮定は姉貴の一言によって現実のものになってしまった。 「なぁ姉貴」 「なぁに?」 「ここってまさか」 「まさか?」 「携帯小説とかでよくある」 「異世界だね」 異世界だったよチクショウ。
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