第2章 【守る者と壊す者】

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「クウガとストロンガーですか!?電撃ライダーキタァー!!」  クロスの姿に思わず身を乗り出す裕子。それを友人がどうにか抑えようとしている姿を横目で見ながら、クロス・ライジングチャージャーはゆっくりと拳を構える。 「そんな姿になった位でいい気にならないで頂戴!」  ローズユニゾンによる鞭の攻撃。ダブルサイクロンでは避けることは難しかった。しかし、それは対処する技術がなかったからだ。だが 「見えてるぜ、どんな動きかなッ!!」  クロスの複眼が緑になると、不規則に動く鞭を捉えそれを掴む。 「何ッ!?」 「あれはペガサスフォームの感覚強化能力!!」  掴んだ鞭を一気に引き寄せ、間合いを再び詰める。そして一気に間合いを取ればクロスの複眼が紫になると、掴んだ手とは逆の手で拳を作り腹部に叩き込む。 「うぐッ!」 「あれはタイタンフォームの防御を逆手に利用した攻撃!!」 「裕子…ちょっと静かにしなよ」  クロスとローズユニゾンの戦いに目を輝かせながら見据える裕子を抑えている中、戦闘は佳境を迎えていた。  クロスの複眼は青に変わると一気にローズユニゾンの後ろを取れば、回し蹴りを打ち、再び前に戻れば拳を叩き込むローズユニゾンの防戦一方状態が続いていた。 「諸先輩方を侮辱したツケ、払って貰おうか」 《ライジングチャージャー ライジングファイヤー》  怯んだ隙にクロスドライバーのレバーに手をかけ、再び引く。そして音声が流れると拳に黒と黄色の稲妻が右腕に宿っていく。 「ハァァァァ!!!!」  そして、雷を纏った拳をローズユニゾンの顔面に叩き込む。拳とローズユニゾンが触れた瞬間、纏ったいた雷がローズユニゾンの身体を一気に駆け巡り大きな衝撃へと変換される。 「……ホントに残念だわ。だけど忘れないで、ユニゾンは常にアナタ達を狙ってる」  人間の姿に戻ればゆっくりと口角を上げ、そして灰となって消えて行った。まるで燃え散った花のように。
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