第2章 【守る者と壊す者】

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「お力添え、感謝致します」  ライダーアンプルを抜き、変身を解除すると隠れていた裕子達に駆け寄る。 「二人共、大丈夫だったか?」 「はい。ですが…」  友人は将の言葉に応えるが、その一方の裕子はブツブツと何かを呟きながらスマートフォンに何かを打ち込んでいた。 「仮面ライダークロス、仮面ライダー1号と仮面ライダーWの力を合わせたダブルサイクロンと仮面ライダースーパー1と仮面ライダーフォーゼの力を合わせたコズミックハンドと……」 「ダメだな、こりゃ。仮面ライダーにのめり込んじまってる」  半分呆れつつも、昨日ファミリーレストランで死ぬほど仮面ライダー談議をされた将は慣れた光景に安堵していた。そんな姿を知らない友人は彼女の姿に驚いていた。 「裕子って普段はあんな感じなんですか?」 「普段っつうか、仮面ライダーの事になるとあぁなっちまうな。  あんな奴だけど普段通りに接してやってくれ。  普段はとても良い人なのは分かってんだろ?」 「はい。少し驚きましたけど、こういう一面もあってイイと思いますし」 「名乗るのを遅れちまったな。俺は赤津将、普段は……薬品の研究をしてるモンだ。  稀にあぁいうバケモン退治をしてる……感じかな?」  普段は仮面ライダークロスとして怪人と戦ってると言っても仮面ライダーが娯楽として存在する世界には信用されない。思わず出た嘘を羅列していると裕子の友人がクスリと笑った。 「野原美佳です。  大丈夫ですよ。仮面ライダーは弟と見てたことありますし、あんなの見たら嘘じゃないのは分かります。  世界の平和頑張って救って下さい」 「ハハッ、女子高生に気を遣われるとか大人失格だわ。  まぁ何かあったらここに来てくれ。君達は俺の戦いに巻き込んじまったせいで狙われの身になってるからな。  君達も必ず守るから安心してくれ」  友人『野原 美佳(のはら みか)』の言葉に笑みを溢せば、美佳に住所と連絡先が書かれた名刺を渡し踵を返し去っていった。
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