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そんな疑問の堂々巡り
本当は何となく分かってたのかもしれない……
でも、頭も心も滅茶苦茶の今は一つの考えにしかいたらなかった
癒軌「他に……好きな子………出来っ……たの?」
じっ……と涙に濡れた瞳で志伊の瞳を見つめてきく
志伊「……………」
静かにコクリ……と…頷く
これは……分かってたはず……頷いたと同時にどこか、安心したような心地になる
そんな……自分に嫌気がさした
癒軌「っ………そっ……か…」
志伊「ゴメン」
ヤダヤダっ!!……謝らないでっ………
僕が……凄く惨めに………なるから
癒軌「分かっ………た」
志伊「ゴメンな……」
そう言って志伊は僕の目の前から去っていった
本当は……分かりたくなんかない
だけど、僕には何となく……志伊が別れを切り出した意味が分かる気がした………
癒軌「ただ………」
ただ……最後だけは『ありがとう』って言ってほしかったよ………
そんな僕の手のひらにまだ散るはずのない桜の花弁が舞い降りていた…………
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