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凍りつく空気をものともせずに、懐から同じ物を取り出した男は淡々と言い放つ。
「主犯格8名7泊8日」
「はやし立てた生徒25名4泊5日~」
「節穴の目の教師1名3週間--」
「ま、待てよ!!」
「うん?」
翔大には意味が解らない言葉に、いじめっ子の一人が、おびえた様子で割り込む。
二人はめんどくさそうにそちらに目を向けて、構えていた拳銃を彼の眉間を狙う位置に移動させた。
「なーに~? 言っとくけど、ボクらに言い訳は無意味だからねー」
「そう言うこった。諦めろ」
「でもッ――」
次の瞬間にその生徒の声は、途切れた。 乾いた音が響き渡り、シュウゥ……と銃口から細い煙が上がって、風にたなびく。
次いでドサッと、その生徒が床に倒れ伏す。
「まずは、一人……」
男が淡々と口にした言葉は、これから先を示唆していた。
「うわぁああああッ!!」
「来るなぁッ!!」
撃たれた生徒を中心に悲鳴が飛び交い、波紋のようにパニックが広がる。
我先にとドアに殺到する生徒らの背中に、男は無表情で銃口を向けた。
「もう、遅いって」
銃声が幾つか響いて、同じ数の生徒が折り重なって倒れた。
その生徒らを踏み越えて尚も逃げようとした生徒を鼻で笑って、男は再び拳銃を構える。
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