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「これで満足か?」
いてて、口切れてるや。
「…歌音、帰ろ」
泣き崩れている歌音を起こして公園をあとにした。
それから、家まで歌音の手をそっと握って帰った。
震えて、泣いているこに、何も言ってやれない自分が情けなくて…
「歌音、ごめんな」
歌音は答えなかった。
______
「送ってくれてありがと」
「送るつっても隣だからな、気にすんな」
「うん…」
歌音は俺の服の裾をぎゅっと握ったまま離さない。
可愛いじゃねぇかちくしょう。
じゃなくて。
「…仕方ねぇな、こうしててやるよ」
そういって、歌音を抱き締めた。
さっきより、強く、強く。
でも壊れ物みたいに優しく。
俺の首ぐらいまでしかないその身体を全身で包み込んだ。
「怖かったよな、ごめんな」
そう言うと、歌音は今まで我慢していたものを吐き出すように、わんわん泣いた。
「泣き止むまでこうしててやるから…」
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