俺様男と鈍感女

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53対21で俺たちの勝ち。 最早球技大会レベルじゃない。 「しっかし何でも出来んだな、智は」 グラウンドへ向かうなか、和馬がうで組をしながら俺を誉める。 「ははっ、何いってんの?お前バスケ部じゃん(笑)」 バスケ部の和馬は俺より上手い。 「いやいや、貴方このあとサッカーも出るでしょ」 苦笑いしながら俺の背中を叩く。 「和馬こそ」 二人でニヤリと笑い、走って外へ向かった。 _______ 「あっ、智!」 玄関で呼ばれて振り替えると、歌音が立っていた。 「先行くな、智」 「あぁ、わりーな」 和馬が気をきかせてくれた。まぁ、あいつは知ってるもんな。 「どーした歌音?俺、次の試合が……!?」 「うぅ…さとるぅ…」 ポロポロと涙を流しながら俺に抱きついてきた。 「え、ちょっ、とりあえずこっち」 歌音を連れて空き教室に入り、とりあえず落ち着かせた。 この間も泣いてたのに…… 「歌音?どーした?」
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