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「さとるぅ…先輩がっ、や、やり直しさせてほしいって…どーしようっ、ヒック、もうあんな怖い、思いしたくないよっ…ううっ」
あいつは、まだ歌音を困らせるの?
俺ならそんなこと…
「歌音、あいつのことまだ好き?」
涙を流しながらコクンと頷く。
「そっか…」
あんなことされても好きだと言われると…さすがに傷付くな…
「俺にしろよ…」
「ふぇ?…智、なんか言った?」
「……なんも」
暫く沈黙が続く。
それを破ったのは俺の携帯だった。
ピリリリリリリリ♪
画面には和馬の文字。
「おっと……はい」
『智?もう始まるぜ?お前いないと負けるよ~』
「だーもー、わかったよ。すぐ行くから待っとけ」
ピッ
「悪い、歌音。もう行かなきゃ」
「……うん…」
「また後で聞くから」
歌音の頭に手を置いて空き教室を出た。
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