俺様男と鈍感女

19/23
前へ
/69ページ
次へ
いや、まじで、どゆこと? 歌音の方に向きを変え、問い詰めた。 「歌音?どゆこと?なんで俺のせいなの?」 「うぅっ…智のばかっ!」 「え…ちょ、は!?」 ば、ばか?え、なんで!? 堪えきれなかったのか、歌音の涙が溢れ出す。 「か、歌音。とりあえず、泣き止め?な?」 そっと指で歌音の涙を拭って舐めた。 「…あま…あ、止まった?」 歌音は目を見開いてこっちを見ている。 「かーのーん。なぁ、なんで俺のせいなの?」 「……智が…」 「ん?」 「智が好きだからに決まってるじゃない!!」 「…………は?」 「ずっとずっと!智が好きだったの!どーして気付いてくれないの!?ずっと…好きだって…言ってくれるの待ってたのに…うっ、グスッ」 ちょっと待て、ちょっと待て。 あの鈍感さはなんだったの? 顔近付けてもなんとも思わなくて、俺が部屋で着替えても赤くなりゃしねぇ。 「…歌音」 スッと歌音に顔を近付けてみた。 唇を動かせば、キス出来る位置まで。
/69ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加