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母は美しい髪の持ち主だったといつか父が言っていた。
母の存在は記憶の片隅。
美しい紫の髪が太陽に煌めく。
鼓膜を揺するような優しい歌声。
「母さんはいつも、お前がいるお腹を撫でながら歌っていたんだよ」
自分が母を殺めてしまったとき
父は狂った。
今となってはそれも過去。
気にすることは何もない。
時折、無性に誰かに触れたくなる。
自分が他人の髪を触るのは、
構ってほしいからかもしれない。
これは罰
実の母を殺めてしまった自分への報い。
受け入れるしかない。
、
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