序章 【イーラ】

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チクタクチクタク とある童謡で、時計の音はこういう風にかわいらしく歌われていた。 実際の時計の音は、そんなにかわいらしいものでもなく…時を刻むごとに『ガキッ』という耳障りな音を奏でる。 大きな大きな古時計。 それは私自身。 もう何千年もたっていそうな古時計。 短針が長針に捕まる刻。 ゴーン ゴーン と大きな音をたてる。 原動力の大きな歯車。 今にも壊れてしまいそうな大時計。 物には寿命がある。 人間だってそうだ。 私は生まれて何年になるだろうか。 いつになったら、 私に寿命はくるのだろうか。 早く楽にしてほしい。 ,
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