トイレの怪物

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サンダルを履いてる間なんかない。あたしはサンダルを手に持ちドアノブに手をかけた。だがその瞬間、絶望感を味わう。 鍵が開かないのだ。 ふと壁に目をやると精算機がセンサーで光っている。 今のホテルは精算しないとカギが開かないのだ。そんなこと知るわけがなかった。何故ならホテルなんて結婚してから一度も入ったことなかったからだ。 金を払っている時間などない。それにもし精算するのに手間取ったら?大きな音を出す機械だったら? “そうだ!フロントに電話して車に忘れ物を取りに行くと言って開けて貰えばいいんだ!” ベッドの所に電話があったのを思い出し、戻ろうと思い振り返ると、そこには全裸で仁王立ちする誠が立っていた。
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