苦手なものなんてない!の物語

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二人がそう思うのもそのはず 少年は日江高等学校一番の問題児、雨月 紅である といっても、ただ見た目が悪そうなだけであって理由もなく相手を傷つけないやさしい少年だ まぁ、本人にそんなことをいえば半殺しにされるのだが… 空吾:なんだ、紅か 晴輝:紅先輩だったんすね 二人は教師でなかったことに多少ほっとしているようだ だが、彼もそこまで甘くない いや、自分の都合以外はどうでもいいのだ 紅:てめぇら、邪魔なんだよ… 「殺すぞ?」 晴輝、空吾:(ビクッ 彼らには今の紅は般若のように見えているのだろう 恐ろしいものをみたかのように固まっている 紅:チッ… 大きく舌打ちをするともう一度二人をにらみつける でも、特に理由があるわけでもなくすぐに別の方向を向く 晴輝、空吾:(マジ、こいつこえぇー…) 晴輝と空吾の思考はぴったりなのである そのとき、聞きなれた音が三人の耳に届いた キーン、コーン カーン、コーン 紅:ん、予鈴か? 晴輝、空吾:予鈴!? 冷静に状況を分析する紅とあわてる晴輝と空吾 後者の二人は「遅刻するぅ~!!」と叫びながら昇降口へとものすごいスピードで駆けていった 対する紅といえば、「ふわぁ~」とあくびをして一言 紅:ねる、か… それだけ言って悠々と校舎へと向かっていった
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