苦手なものなんてない!の物語

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滴音:ねぇ! 晴輝:(ビクッ さらに滴音が晴輝との距離を縮めたとき、やっと呼吸を整えた和人が体育館に入ってくる そして和人は滴音の隣に立ち、そっと頭をなでる 和人:僕は大丈夫だからさ、その辺にしなよ滴音 滴音:和人ぉ~~~♪ そういって思いっきり飛びつく滴音 そして和人もなれたもので何とか支える そしてまた少し頭をなでる 滴音を落ち着かせるにはこれしかないのだ 晴輝:(GJ、和人!) 晴輝は心の中でそう考えながら右手の親指を立てた 和人には届かなかったが代わりに滴音にそのメッセージは届いてしまった 滴音は珍しく自分から和人の下を離れるとバスケットボールを手に取り、再び晴輝の元へ ガッ 晴輝:っ~~~!! バスケットボールをぶつけられた場所を押さえてうずくまる晴輝 まぁ、当然である 滴音:ほら、さっさといくよー そういって滴音は晴輝のことを全く考えずに手をとり、歩きだす 晴輝:痛いっ! 滴音、痛いからてぇ離せー! 晴輝がそう喚くのもそのはず 滴音は思いっきり力をこめて晴輝の手を握っているのである 滴音は女子とはいえ、男子の力の弱めの奴と同じくらいの握力はある それなりに、痛いわけだ 和人:がんばってな、二人とも 見学組の和人は体育館の壁際に立って二人を見送る もちろん、何で晴輝が叫んでいるのかなんて気づくまでもない 天然だから ちなみに、滴音は和人の声が聞こえた瞬間には手を離して和人のほうを向き大きく手を振っていた 滴音:うん、がんばってくるねー♪ 晴輝:先にいってるからな 晴輝は手をさすりながらクラスの輪へと混ざっていった 滴音:あ、まってよ晴輝! そのあとを滴音も急いで追いかけていった 和人:ホント、仲いいな二人とも まぁ、僕が体弱くなって運動苦手になったからっていうのも大きいのかも知れないけどね 和人は一人でそんなことをつぶやいた
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