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あまりにも異常な事態に、自分も含み皆思考が停止したらしい。 パニックになりかけていた空気がぴたりと止まり、気持ちの悪い沈黙が場を支配した。 殺し屋。 標的。 人を殺す。 無関係の人は解放すると言っていたけれど、果たして自分は本当に無関係なのか。 頭の中をぐしゃぐしゃに踏み荒らされた気分だった。 普通、こういうシーンでは文句を言い出す奴が居る。 馬鹿そうな男とかが暴言を吐いて、第一の犠牲者になるのだ。 「……」 「……」 「ぁぐ」 現実は空想妄想と違うのか。 沈黙を破ったのは、可愛らしい女性の呻き声で。
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