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「……なんで、いるの?」
「お前のことだから、入学式そうそう遅刻すると思ってな。
だって、中学ん時も遅刻しそうだっただろ?
俺の勘…かな?」
私がいきなりドアを開けたせいで少し吃驚してたけど、
凌ちゃんはいつもの爽やか笑顔に戻って、私の質問に答えてくれた。
「案外、こっから学校まで道、複雑だから愛衣と一緒に行こうと思って」
「そっ…か」
「えー?何、その反応。
俺と行くの嫌だった?…俺、傷ついたー」
私の反応が素っ気無かったらしく、顔を覗き込むように制服のポケットに手を突っ込んでわざとらしく聞いてくる。
「……っ、ううん、違うよ。少し、吃驚しただけ。」
「そっか、なら良かった。
……そろそろ行かねぇと、マジでヤバそうだから行くか」
目を細めながらクシャッと私に向かって笑い、頭を優しく撫でる。
何度見ても、この笑顔は慣れない。
破壊力、抜群だ。
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