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「…あれ?お姉ちゃんは?」
一階のリビングに行くと、朝ご飯をテーブルに並べてるお母さんしか居なくて。
いつもあたしより先に、ご飯を食べてるお姉ちゃんの姿が見当たら無かった。
「今日は入学式だから、上級生は早くに学校行くって聞いてなかったけ?」
「あ、そうだったんだ」
だから、お姉ちゃん居なかったんだ。
そう言えば、お姉ちゃん昨日そんなこと言ってたっけ。
昨日のことを思い出しながら、食パンが置いてある席に座る。
「ねー、お母さん。」
「んー?何?」
お皿を洗ってるお母さんは、水音で少し聞きづらそうにして返事をする。
「そろそろ、毎日食パンて飽きるんだけど」
「もー我が儘言わないの。
お母さんだって朝は、いろいろと大変なんだから。」
またか…みたいな、呆れた様子で口調を強めるお母さん。
お母さんの気持ちも分からなくもないけど、流石に毎日は飽きるよ。
人間だもの。
口に出したら、余計なことまでガヤガヤ言わされそうだから言わないけど。
「愛衣(めい)ー?あんたもう8時よ?
急がなくて大丈夫なの?」
「え?嘘!」
ニュースをしてるテレビを見ると、もう時刻は7時57分。
入学式でいろいろあって、15分には教室に居ないといけない。
学校までは、徒歩15分全速力で走ればまだ行ける。
「お母さんあたし、もう行くわ!!」
「え?ちょ…愛衣!?」
慌てて、鞄を持ち玄関に向かった。
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