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「やっば!ほんとに、急がないと」 誰に言うわけでも無く、自然と口から出た。 「あっれ?…は、入らない」 玄関に腰を下ろし、新品のローファーを履こうと試みるが焦ってなかなか入らない。 もーこういう時に限って…何で入らないんだろ? 「……っしゃ!やっと、入った!!」 一人で苦戦し、一人で喜んでる自分が凄くイタイが今はそんなの関係無かった。 外に繋がるドアの前で一人でガッツポーズをし、ドアノブに手を掛ける。 「本当に、遅刻はしないでよー?」 「もー、何回も言われなくたって分かってるって!!」 エプロンを外しながら、心配そうにリビングから顔を出してあたしに言うお母さんに心底呆れた。 思わぬ、タイムロスをしたけど全速力でぶっ飛ばしたらまだ間に合う…筈。 …多分。 少々心配なったが、あたしは思いっきりドアノブを捻りドアを開けた。
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