【現在】狐日和

8/11
前へ
/57ページ
次へ
境内の中は少しカビ臭い。 壁一面に、色々な狐のお面が飾られていた。 どうやら、私のなみだは自分のハンカチでは役目をもう果たせないみたいだ。 「ゆっくりしていってくださいね」 とは、言われてみても意味もなく立ち寄っただけで特にすることもない。 『あの…私、帰ります』 正直に言うと、狐のお面がずっと私の方を見ているようで気味が悪いのだ。 少しでも早く帰りたくなる。
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加