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「何でこうなるのかな」
そう言いながら席につけば雪美は前の席に座りながら「自業自得よ」とぼやく。
「それだけ男殺ってたら武勇伝も増えるわ」
「だから殺してないし……」
「でも男たちはあんたに近づけば殺されると思ってる節があるわよ」
そんなわけないと反論しようとしたとき、偶然、男子と目が合う。男子は私と目があった瞬間、見てはいけないものを見てしまったように、勢いよく目をそらす。マジか。でも……
「別にいいよ」
「何が別にいいのよ?」
「クラスの男子にどう思われようと、どうでもいいし。私は……」
『お姉ちゃんに勝てたら付き合ってあげる』
『ほんと女じゃねぇ』
「私より強い男にしか興味ないから……それ以外の人にどう思われてもどうでもいい」
未だに耳の奥に残ってるあの言葉。傷ついた弱い心はもう既に修復済みだし、強化が重ねられてそっとやちょっとじゃ傷つかなくなったけど……
雪美は「ならいいけど」と苦笑しながら少しチョコが溶けたポッキーを私の口に突っ込む。
柔らかい甘さと少しの苦さが口に広がった。
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