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雪美は「そう言えば」と思い出したように呟く。
「今日、転校生来るらしいわよ」
「転校生?」
夏休みが終わって二週間、こんな時期に来るなんて珍しい。
「男だって。涼子より強いといいわね」
聞こえてきたチャイムに方向転換した雪美の後ろ姿に「そうだね」と気のない返事をしとく。
私より強い男なんて現れるわけない。
そんな確信を持ちながら私は前に目を向ければ、タイミングよく先生が教室に入ってくる。
その後ろに続いて入ってきたのはフワフワの茶色い髪の男子だった。
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