第一章

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 QBばりにわけがわからないよ。  ま、そんなことは置いといて。 「これは大会なので個人プレーです。期限は今日の日没まで。集合は宿屋の前で。優勝条件は一番稼いできた人です。多く稼いできても日没までに戻ってこれなかったらその時点で失格でーす」  皆の顔を見渡して言う。皆頷いてるから異論は無いらしい。あっても認めないけどな。 「優勝した人は何でも好きなものを一つだけ買ってあげます」  その言葉にピクリと反応する三人。センリがおずおずと手を上げた。 「その優勝した人へのプレゼントのお金って誰が出すんですか?」 「俺が稼いできたお金から個人的に。パーティのお金には手を出しません」  俺がそう言った瞬間、三人の目がキュピーン(死後)と輝いたような気がした。背筋がブルリと震えたような錯覚を覚える。 「お、おい。あんまり高そうなのは止めろよ?」 「どうしようかなー?」  おいてめーら「ねー?」とか言って三人で頷いてんじゃねーよ。お前らそんなキャラじゃねーだろ? だからそんな獲物を狩る虎みたいな目で俺を見るんじゃねーよ!  くそっ……俺は墓穴を掘ったのか……? 『主は女の怖さを知らんのじゃ』 『あいにくそんな機会に恵まれなかったんだよ。俺の近くにいた同年代の女子なんて妹くらいだぞ?』 『ヒカルの所にはいたのではないか?』 『そいつらは光目当てであって俺はオマケみたいなもんなの。悲しいの!』 『そ、そうか……』 「んじゃあ今から開始で。大会とは言ったけど、あんまり無茶すんなよ?」
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