第一章

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 中はなんて言うかまあ銀行の受付的な? 小ざっぱりとしたカウンターに受付の人が座っていて、壁には掲示板が設置されている。たぶんあの掲示板に依頼が載ってるんだろうな。  冒険者らしき人は数人しかいなかった。まあ、時間的に中途半端だしな。今たぶん十時半くらいだし。受付に何人かいて、窓の近くにある休憩所みたいな所には三人くらいの男の冒険者がいた。  が、冒険者って言っても粗暴な感じはしない。鎧も着てないし。剣は近くに置いてあるけど。やっぱ取り締まりとかされると粗暴な感じが無くなるのか? ま、別にどーでもいいんだけどさ。 「エレナ、あの掲示板に依頼が載っているのか?」  ギルドの中を見回している俺の後ろでイリアがエレナに確認していた。 「そうだよ。受けられる依頼に特に制限は無いけど、身の丈に合わない依頼はあんまりお勧めしないね。ま、あまりにも高難度の依頼は掲示板に貼り出されずにギルドが直接保持しているんだけどね。ギルドが認めた冒険者にその依頼を提示するのさ」 「ふーん……」  フェアリーテイルの二階にあるSランク魔導士しか受けられない依頼的な? ま、そんな危なそうなの金稼ぎなんかで受ける必要ないし、エレナの言い方じゃそもそも受けれなさそうだからいっか。  俺たちは歩いて掲示板の前まで来る。途中チラッと見えた階段には看板がかけられてて『二階 お食事処』と書かれていた。 「んじゃあこれからアルバイト大会のルールを説明したいと思いまーす」  掲示板の前で俺がそう言うとセンリが「本気だったんですね、あれ……」なんて言ってきやがった。俺はいつでも本気だぞ? 『その割には抜けておるではないか』 『抜ける時も全力だ』 『わけがわからん』 『俺もわけがわからないよ』
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